調剤薬局勤務おじさん薬剤師の仕事内容

調剤薬局勤務のおじさん薬剤師です。薬のことを調べてもすぐに忘れてしまうので、自分でしらべた薬に関するメモ書きとして記録しております。

セレコックスの効き目・副作用を他のNSAIDSと比較する

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セレコックスの効き目・副作用を他のNSAIDSと比較する

 

「セレコックス錠はCOX-2を選択的に阻害するためにロキソニンボルタレンなどの痛み止めと比較して胃腸障害が少なく薬です」。という感じで薬学部では習います。セレコックスに対する私のイメージは、ざっくりとしたイメージしかなくて、他剤との「有効性・安全性」に関する具体的なデータを読んだことがなかったので、調べてみることにしました。

 

関節リウマチへのセレコックスの治療成績

添付文書上では関節リウマチ患者さんがセレコックス錠を4週間飲んだ時の治療成績として最終全般改善度26.4~31.9%とされており、プラセボによる最終全般改善度が23.3%であるためにセレコックス錠を飲むとプラセボよりは改善することが示されています。

(リウマチの痛みはセレコックス単独ではなかなか治療が難しいをことが示されています)

 

2017年6月に慢性関節リウマチに対するセレコックス錠の効き目が検討されたデータを見てみると、慢性関節リウマチ患者さんがセレコックス錠を1日2回、1回100mgまたは200mgを4~12週間飲み続けたところ、1000人中441人が改善効果を確認し、プラセボと比較すると1.53倍の改善率が確認されたと報告されています。一般的な慢性関節リウマチの痛み度数を60ポイント(0が疼痛なし)とすると、セレコックスを飲み続けることで平均して11ポイントほど痛みが減少したというデータが開示されています。

セレコックス錠と他のNSAIDSとの治療成績比較

 

慢性関節リウマチ患者さんがセレコックス錠と他のNSAIDSを飲み比べた時の治療成績を比較したデータを確認してみました。

他のNSAIDSとは、ボルタレンモービック・ナイキサン・ブルフェン・レリフェン・アムトルメチングアシル・ペルビプロフェンによる平均的な治療成績です。

 

慢性関節リウマチ患者さんがセレコックス錠を1日2回、1回100mgまたは200mgを12~24週間飲み続けたところ、1000人中503人が改善効果を確認しました。一方で他のNSAIDSを飲み続けた患者さんでは1000人中457人が改善効果を確認しました。セレコックスを飲むと他のNSAIDSを使用するよりも1.1倍症状が改善する傾向があるものの有意差はないことが報告されています。他のNSAIDSを飲み続けた慢性関節リウマチの痛み度数を47ポイント(0が疼痛なし)とすると、セレコックスを飲み続けることで平均して1.59ポイントほど痛みが減少する傾向にある(有意差なし)というデータが開示されています。

 

セレコックス錠と他のNSAIDSとの副作用比較

セレコックス錠200mgを1日2回飲んだ患者さんと他のNSAIDSを飲んだ患者さんとで心血管イベントの発生率を比較したデータによると、セレコックス群は1000人あたり14人、他のNSAIDS群では1000人あたり13人の心血管イベント数が報告され、どちらも差がみられない結果となっています。

 

3mm以上の胃十二指腸潰瘍の発生率に関しては、セレコックス錠を服用した群は他のNSAIDSを服用した群と比較して発生率が22%ほど低いことが示されたと報告しています。

慢性関節リウマチさんを対象としたセレコックスの有効性と副作用について

セレコックスとブルフェン・ナイキサンの副作用を報告した大規模試験データ

 

関節炎の治療としてセレコックス・ブルフェン・ナイキサンを服用した場合の副作用について報告したデータが、セレコックス錠の製剤特許を有しているファイザーの資金提供を行ったデータとして報告されています。

 

被験者数

セレコックス錠(1日平均209mg)を飲んだ患者数:8072人

ナイキサン錠(1日平均852mg)を飲んだ患者数:7969人

ブルフェン錠(1日平均2045mg)を飲んだ患者数:8040人

 

注意)日本国内での用量

ナイキサン錠1日量300~600mg(適宜増減)

ブルフェン錠1日量600mg(適宜増減)

主要な心血管イベントリスクについて

セレコックスとナイキサン:発生率に有意差なし(ハザード比0.97)

セレコックスとイブプロフェン:発生率に有意差なし(ハザード比:0.87)

 

データを見た私の主観で恐縮ですが、データとしてはセレコックスとナイキサン・イブプロフェンはどちらも心血管リスクに差はない(若干セレコックスの方がリスクは低いかも?)というデータに見えます。しかし、ナイキサン・ブルフェンともに服用量が国内の使用量と比較して非常に多い値が服用されています。そのため国内のナイキサン・ブルフェンの常用量で考えると、また違った結果となる気もします。

消化管および腎への影響について

胃腸障害のリスク

セレコックスとナイキサン:セレコックスの方が29%胃腸障害のリスクが低い(有意差あり)

セレコックスとブルフェン:セレコックスの方が35%胃腸障害のリスクが低い(有意差あり)

 

腎障害のリスク

セレコックスとナイキサン:セレコックスの方が21%腎障害のリスクが低い(有意差あり)

セレコックスとブルフェン:セレコックスの方が39%腎障害のリスクが低い(有意差あり)

 

 

セレコックス錠とナイキサン錠・ブルフェン錠の胃腸障害リスク・腎障害リスクについてもこのデータの服用量と国内使用量の実績が異なるため何とも言えないところはあるのですが、セレコックス錠は既存の認識通り胃腸障害リスク・腎障害リスクは軽減された医薬品であることが示唆されます。

セレコックス錠とナイキサン錠・ブルフェン錠の副作用比較データ

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まとめ

・セレコックス錠は他のNSAIDSと同程度の鎮痛効果がある

 

・セレコックス錠は他のNSAIDSと比較して3mm以上の胃十二指腸潰瘍の発生リスクが22%低い

 

・常用量を超えたナイキサン・ブルフェンを飲み続けるよりは、セレコックス錠100mgを1日2回飲んだほうが、胃腸障害・腎障害のリスクは低い

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